医師や看護師、そして介護職といった多くの職種が連携しなければ、看取り介護はうまくいかない。看取り介護での介護職の役割について知っておこう。
食事や排泄の介助、清潔の保持は、介護職の役目の一部である。食事については、介護職だけでなく他の職種の人たちと協力し、利用者の体の状況や好みに応じて提供すると良い。食事の内容は尿や便の量、むくみの有無、体重などを見ながら決めることになる。感染症等予防のため、できるだけ清潔保持を心がけ、入浴や清拭を行う必要がある。
誰もが人生の最期を迎えることに恐怖を感じてしまうことがあるだろう。そんな時に精神的な支えになるのも、介護職の役目である。話をじっくりと聞いたり、利用者が安心できるようなサポートを行うことが大切だ。
利用者が楽に過ごせるよう、身体的苦痛があれば医師の指示により疼痛緩和の処置を行おう。介護職は医療行為ができないため、医師や看護師と連携して行うことだ。精神的なケアは看取り介護において重要である。居室をこまめに訪れ、声をかけるようにすると利用者は安心する。
また、介護職は家族のケアをすることも必要である。延命治療をせず看取り介護を選んだことに、罪悪感を覚える家族も少なくない。また、覚悟はしていたものの、いざ大切な家族の死期が近づくことに不安を感じることもある。そんな家族に寄り添い、精神的な援助をすることも大切な役目なのだ。
看取り介護では、エンゼルケアや葬儀等の支援を行う場合もある。看取り介護について幅広い知識を身につけておくことが必要になるだろう。